「サンセット大通り」を鑑賞!おすすめ名作映画です!

映画 名作映画レビュー(1950年代)

1950年のアメリカ映画
「サンセット大通り(Sunset Boulevard)」
についてです。

ネタバレもありますので、ご注意を!

サンセット大通りとは

ビリー・ワイルダー監督の
1950年公開映画「サンセット大通り」。

ハリウッドでの昔の栄光が忘れられない、
かつての大物女優の悲劇を描いた作品です。

主演は、サイレント映画時代の大女優
グロリア・スワンソンと、
1953年公開映画「第十七捕虜収容所」で
アカデミー主演男優賞を獲得する
ウィリアム・ホールデン。

第23回アカデミー賞(1950年)では、
同ジャンルの映画「イヴの総て」との争いに。
こちらがハリウッドの裏側なら、
あちらはブロードウェイの裏側ですね~。

ノミネートは、
「サンセット大通り」が11部門で
「イヴの総て」が14部門。
受賞は、
「サンセット大通り」が3部門で
「イヴの総て」が6部門。
オスカーの賞レースとしては、
「イヴの総て」に軍配が上がった形でしょうか。

ちなみに「サンセット大通り」が
受賞した3部門は、
・脚本賞
・ドラマ・コメディ音楽賞
・美術監督賞(白黒)
で、ノミネートはされたものの
受賞に至らなかった8部門は、
・作品賞
・監督賞(ビリー・ワイルダー)
・主演男優賞(ウィリアム・ホールデン)
・主演女優賞(グロリア・スワンソン)
・助演男優賞
(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)
・助演女優賞(ナンシー・オルソン)
・撮影賞(白黒)
・編集賞
です。
「イヴの総て」が受賞した6部門は、
「作品賞」「監督賞」「助演男優賞」
「脚色賞」「録音賞」
「衣裳デザイン賞(白黒)」でした。

あらすじ

冒頭、サンセット大通りの豪邸にあるプールに、
男性の水死体が浮かぶ。
その男性の語りによって、物語は始まる。

半年前、その男性=脚本家のジョーは、
自身の脚本が全く採用されず、
苦しい生活を送っていた。

ジョーが借金取りに追われ逃げ込んだ先は、
サンセット大通りの古びた豪邸。

そこには、サイレント映画時代の
大女優であるノーマ・デズモンドが、
執事のマックスと共に住んでいた。

ノーマは長らく銀幕の世界から
遠ざかっていたが、今でも自分は
大スターだと思い込んでいる。

彼女は映画界への復帰を夢みて
脚本を書き続けており、
ジョーが脚本家だと知ると
自分の脚本の手直しをするように要求する。

ジョーは生活苦だったこともあり
その要求を受け入れ、
やがてジョーを愛するようになったノーマは
彼を自宅に囲い込む。

ノーマの元にハリウッドから何度も電話があり、
ついに映画復帰ができるとノーマは喜ぶが、
電話はノーマの車を借りたいというものだった。

その真実はノーマに知らされず、
ノーマは映画復帰に向けて準備をするように。

ジョーは親友の婚約者で
若手脚本家の女性ベティと共に
脚本を製作するようになり、
ノーマ邸を度々留守にするようになる。

いつしかジョーとベティは恋仲に。

そのことに気づいたノーマは
電話でベティにジョーと別れるように言うが、
ジョーはベティをノーマ邸に呼び出す。

ジョーはノーマに囲われる異常な生活を
ベティに明らかにし、ベティと別れる。

そしてノーマとも別れようとするが、
ノーマに撃たれプールに転落。

ノーマ邸には警察やマスコミが殺到する。

ノーマは、マスコミのカメラを
映画撮影のカメラと錯覚し、
「大女優」としての演技をしながら
警察の元へと階段を降りていくのだった。

感想と見どころ

この映画のすごいところは、
映画と現実の世界がリンクしているところ。

まず、かつての大女優ノーマを演じる
グロリア・スワンソン自身が、
サイレント映画時代の大スター。

昔の映画監督で執事のマックスを演じる
エリッヒ・フォン・シュトロハイムは、
かつて実際にスワンソン主演の映画を
撮った監督。その作品が劇中ノーマ邸で
上映されています。

本人役で出演の映画監督セシル・B・デミルは、
劇中でかつてのノーマ主演映画の監督でしたが、
彼も昔、実際にスワンソン主演映画を
撮っています。

売れない脚本家のジョーは、若き日の
ビリー・ワイルダー監督のことかも(^^)

他にも、バスター・キートンら
往年の名優たちが脇役で出演していて、
「彼らは蝋人形」とか言われています(^^;

こういう予備知識を持って見ると、
さらに楽しめる映画でしょうね~。

さて、この映画一番の見どころは、
やっぱり最後の場面でノーマが階段を降りていく
あの有名なシーンだと思います。

ジョーを撃ち殺した犯人として
マスコミが殺到する中、
警察に連行されるんですが、
ノーマはそのことを理解していません。

それどころか、
マスコミのカメラに囲まれているため、
映画のワンシーンだと思っています。

自分が何十年間も待ち望んだ映画出演。

サイレント映画時代の大女優らしく、
セリフは一言もなく、表情のみでの演技。

大女優として階段を降りていく姿は、
本当に鬼気迫るものがあります。

このシーンだけでも、
見る価値がある映画だと思います!

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