「或る夜の出来事」を鑑賞!おすすめの名作映画です!

映画 名作映画レビュー(1930年代)

1934年のアメリカ映画
「或る夜の出来事(It Happened One Night)」
についてです。

ネタバレもありますので、ご注意を!

或る夜の出来事とは

「或る夜の出来事」は
フランク・キャプラ監督のラブコメディ。
ラブコメの教科書みたいな映画です(^^)

主演はクラーク・ゲーブルと
クローデット・コルベールの2大スター。

クラーク・ゲーブルといえば
「風と共に去りぬ」の
レット・バトラー役が有名ですが、
彼がオスカーを獲得したのは
この「或る夜の出来事」です。
しかし、作風も役柄も180度違いますね(^^;

「或る夜の出来事」は、
第7回アカデミー賞(1935年)で
・アカデミー作品賞
・アカデミー監督賞(フランク・キャプラ)
・アカデミー主演男優賞(クラーク・ゲーブル)
・アカデミー主演女優賞
(クローデット・コルベール)
・アカデミー脚色賞
の主要5部門を史上初めて独占受賞。

主要5部門制覇の作品は
2019年現在でも、
・カッコーの巣の上で(1975年)
・羊たちの沈黙(1991年)
を合わせた合計3作品しかありません。

いずれも、その年の圧倒的な評価を
集めた作品ということになりますね~。

最近のオスカーは、主要賞が分散する傾向が
あるので、5部門制覇の作品が再び現れるのは
なかなか難しそうです。

あらすじ

世間知らずでわがままな
大富豪の令嬢エリーは、父親と大ゲンカ中。

エリーは勝手に結婚することを決めて、
父親が「あの男だけはダメだ」と言っても、
聞く耳を持ちません。
ヨットの上で説得を受けますが聞き入れず、
なんと海に飛び込んで、
そのまま逃げます(^^)

エリーは、父親が反対する
結婚相手のいるニューヨークへ行くため、
夜行バスに乗ることに。そこで、
失業中の新聞記者ピーターと出会います。

二人はバスで隣同士の席になりますが、
どうにもウマが合わないようで、雰囲気は最悪。

エリーの父親は娘の捜索願を出しており、
新聞記事を読んでその事情を知ったピーターは、
エリーと行動を共にすることに。
この時のピーターはまだ、
スクープ記事によるお金が目当てでした(^^)

道中、エリーのカバンが盗まれたり、
困っている母子にお金を渡したりしたので、
二人の所持金はどんどん減っていきます。

そして夜、
何とかお金を工面して宿を借りますが、
小さい部屋を1つ借りるのがやっと。

ピーターは、二人が寝るベッドとベッドの間に
ロープとシーツを使って敷居を作り、
「ジェリコの壁」と呼びます(^^)
「ジェリコの壁」とは、
聖書に出てくる壁のことだそうです。

二人はニューヨークへと急ぎますが、
父親の雇った探偵や
懸賞金狙いの人物をやり過ごし、
一緒にヒッチハイクや野宿をするうちに、
いつしか二人は惹かれ合っていきます。

あと少しでニューヨークという夜。
いつもように「ジェリコの壁」が二人の間には
ありますが、エリーはついに自分の思いを
ピーターに打ち明けます。

突然のことに戸惑うピーター。
少し時間を置き、真意を聞き返しますが
エリーはすでに寝ていて夢の中(^^;

ピーターは、失業中のままでは
エリーと一緒になれないと思い、
眠るエリーを残して急いでニューヨークへ。
今回のエリーとの出来事を大急ぎで記事にして、
新聞社にスクープ記事として売り込みます。

しかし、ピーターがいないことに気づいた
エリーは、自分が捨てられたと思い込み、
ピーターとは別の男性と結婚することを
父親に伝えます。

ピーターも戻ってみたらエリーがいないので、
自分は振られたと思い込みます。こうして
勘違いが原因で二人は離れ離れに・・・。

やがてエリーの結婚の日が近づきます。
しかしエリーの父親は、
娘の様子がおかしいことに気づき問い詰めると、
ピーターという男性が好きだと告白。

父親はピーターに会って、
彼もまた娘のことを愛していることを確認し、
ピーターの飾らない人柄を気に入ります。

しかし、当人同士の誤解は解けないまま、
迎えたエリーの結婚式当日。

父親はエリーに、この結婚を破棄して
ピーターと結婚するよう諭します。
エリーは結婚の誓いの言葉を述べようとした
その時、バージンロードを引き返し
ピーターの元へ・・・。

時は流れ、ピーターとエリーの新婚旅行。
二人の間にあった「ジェリコの壁」が
ついに取り除かれるのでした(^^)

感想

これぞラブコメの王道!
今見ても面白いです(^^)

ピーターはぶっきらぼうですけど、
いざという時は頼りになって男らしい。
エリーは奔放でわがままですけど、
何だかんだで可愛いんですよね~。
お似合いのお二人さんです(^^)

特に印象に残った場面は、
①ヒットマンを演じるピーター
②ヒッチハイクをするピーター&エリー
③「ジェリコの壁」崩壊
の3つです。

①ヒットマンを演じるピーターは、
懸賞金目当てでエリーに近づく男にピーターが、
「俺は実はヒットマンなんだぜ」と
すごんで追い払う場面。
なかなかの迫力で、
相手の男のビビり方も面白いです(^^)

②ヒッチハイクをするピーター&エリーは、
この映画の中でも有名な場面だと思います。

ピーターがエリーに、
「ヒッチハイクはこうやってやるんだぜ」
とかっこをつけて何度もやるんですけど、
全く成功せず(^^;
見かねたエリーが、手を上げる代わりに
足を少し見せると一発で成功(^^)

ベタ過ぎる展開ですが、そこがいいです(^^)

③「ジェリコの壁」崩壊は、
この映画を象徴する場面ですね。

映画のラストシーン、
エリーが結婚式を飛び出して
ピーターのところに向かいますが、
二人が出会う会う場面は
劇中で描かれていません。

本来なら、ウェディングドレス姿のまま
息を切らしてやってきたエリーを見て、
ピーター「何をやってるんだ、エリー?」
エリー「私、やっぱりあなたのことが・・・」
ピーター「僕もだよ、エリー!!」
・・・的なお約束シーンになるはず(^^)

でもそれをせず(二人は全く出てきません)、
二人の間にかけてあったシーツ=ジェリコの壁が
なくなる場面があるだけで、そこで映画終了。

二人の関係を「ジェリコの壁」で
表現しているところがお見事ですね~。

この「ジェリコの壁」の演出のおかげで、
オスカー5部門独占と言っても
過言ではないと思います(^^)

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