1947年のイギリス映画
「黒水仙(Black Narcissus)」についてです。
ネタバレもありますので、ご注意を!
黒水仙とは
「黒水仙」は、マイケル・パウエルと
エメリック・プレスバーガーの両監督作品。
翌1948年公開のミュージカル映画
「赤い靴」と同じコンビですね。
主演はイギリスが生んだ名女優デボラ・カー。
後に6度、アカデミー主演女優賞に
ノミネートされる彼女にとっての出世作が
本作になります。
第20回アカデミー賞(1947年)では、
美術監督賞(カラー)と
撮影賞(カラー)を受賞。
ちなみに、この年のアカデミー作品賞は、
エリア・カザン監督、グレゴリー・ペック主演の
社会派映画「紳士協定」が受賞しました。
あらすじ
シスター・クローダ(デボラ・カー)が務める
インドの大都市コルカタの女子修道院。
ここに、ヒマラヤの奥深くにある村から、
女子修道院を新設するので
シスターを派遣してほしいと依頼がくる。
修道院長はシスター・クローダを
リーダーに選び、彼女を含む5人の
英国人シスターが現地へと派遣される。
現地には領主の元で働くディーンという
英国人男性がおり、
真面目なシスター・クローダと
奔放な性格のディーンは、
何かとウマが合わない。
シスターたちは、
元は領主が遊興に使っていた建物を
教会へ模様替えし、伝道に加えて
子どもの教育や村人の医療を行っていく。
順調に進むかに思えた
シスターたちの活動だったが、
ヒマラヤの雄大で過酷な大自然が
次第にシスターたちの心を揺さぶり始める。
シスターを辞めたいと言い出す者がいれば、
元々病気がちだったシスター・ルースは、
精神的に不安定になり
さらにディーンに好意を持つように。
シスター・クローダ自身も、
シスターになる以前の
自分を捨てた婚約者との
楽しかった日々を思い出してしまう。
ある日、重体の子供が教会に運ばれてくるが、
治療の甲斐なく子供は亡くなる。
しかし村人たちは、
シスターの治療が悪かったせいで
子供は亡くなったのだと言い、
教会には誰も来なくなる。
シスター・ルースは、
とうとう教会を飛び出し
ディーンの元へいって愛の告白をするが、
ディーンは拒否。
正気を失ったシスター・ルースは、
ディーンはシスター・クローダと
仲がいいのだと思い込み、彼女の元へ。
シスター・ルースは、
崖にいたシスター・クローダを
後ろから突き落そうとするが、
シスター・クローダに身をかわされ
自分が崖から転落してしまう。
村にはシスター・ルースの墓が立てられ、
シスター・クローダたちは
村を後にするのだった・・・。
感想
この映画でまず目に付くのは、
カラーで撮影されたヒマラヤの大自然の美しさ。
と言っても実際は、イギリスにセットを作って
撮影したそうですけど(^^;
それでも、自然の美しさに変わりはありません。
アカデミー賞でも
美術監督賞と撮影賞を獲得していますし、
当時としては、カラーのレベルが
相当の高い作品だったと思います。
そして、自然に負けず劣らず、
シスターたちも美しいです(^^)
美しさを担当しているのは、
シスター・クローダとシスター・ルース。
悲劇的な最期を迎えることになる
シスター・ルースは、
途中でシスター服から
真っ赤なドレスに衣替えします。
髪もしっかりセットして、
さらに真っ赤なルージュまでする始末で、
シスター姿とはまるで別人。
「赤」が引き立つ、
カラー映像ならではの演出ですね~。
そして、主役のシスター・クローダを演じる
「英国の薔薇」デボラ・カー。
シスター服姿も美しいんですが、
過去を回想するシーンで、
シスターになる以前の
恋する乙女の姿を見ることができます(^^)
これがまた、美しいと言うか可愛らしいです。
シスター姿とのギャップが、
美しさをより一層引き立てていますね。
本作をまとめると、
自然と女優の美しさをカラーで味わえる作品
といった感じでしょうか(^^)