1953年のアメリカ映画
「ローマの休日(Roman Holiday)」
についてです。
ネタバレもありますので、ご注意を!
ローマの休日とは
言わずと知れた名作映画「ローマの休日」。
王女と新聞記者の叶わぬ恋を描いた作品です。
グレゴリー・ペック
(Gregory Peck,1916-2003)と、
オードリー・ヘプバーン
(Audrey Hepburn,1929-1993)の2人が主演。
ハリウッド映画初出演の
オードリー・ヘプバーンは、
この作品でアカデミー主演女優賞を獲得して
人気女優への道を歩むことに。
また「ローマの休日」は、
主演女優賞(Best Actress)以外にも
原案賞(Best Story)と
衣裳デザイン賞(Costume Design)を
獲得しています。
ただ、この年のアカデミー賞の主役は、
作品賞をはじめ合計8部門を受賞した
「地上より永遠に(From Here to Eternity)」
になるかと思います。
日本での知名度は「ローマの休日」の方が
圧倒的に上ですけどね~。
「地上より永遠に」は、
1945年の真珠湾攻撃で
主人公が亡くなってしまう話なので、
日本で人気爆発とはなかなか。。
ただ、名作映画として有名な作品なので、
一見の価値はありますよ。
簡単なあらすじ
ヨーロッパのとある国のアン王女。
とても美しい王女さまですが、
同じことの繰り返される退屈な毎日に、
もう、うんざりなご様子。
元来、お転婆なお姫さまなんでしょうね(^^)
まぁ恋愛映画の主役になるようなお姫さまって、
大抵そうですけど(^^)
そんなアン王女、公式訪問中のローマで、
宿泊中のお屋敷からお付きの人々の目を盗み、
とうとう脱走に成功!
わたしは外の世界が見たいのよ~(^^)
そこで偶然出会った男性が、
アメリカン・ニュース社の新聞記者
ジョー・ブラッドレー。
そうです。運命の出会いというヤツです(^^)
ブラッドレーは、仕事ができる敏腕記者!
ではなく、うだつの上がらないサラリーマン記者
っていう感じです(^^;
出会った当初こそ、
彼女を邪険に扱ってましたが、
彼女が王女だと分かったとたんに
優しくなります。
現金な男ですね~(^^)
さえない日々を送っていた彼の頭の中は、
王女に関するスクープ記事を書いて
一攫千金を得ることで、もういっぱい(^^)
そして彼女を付け回して、行動を共にする内に、
お互いに惹かれていくことに・・・。
王道だなぁ~(^^)
しかし、王女と新聞記者の身分違いの恋。
上手くいくはずもなく、
二人には別れの時が・・・。
簡単な感想
超王道のラブストーリーですけど、
何というか、もう完璧なんですよね。
ダメ出しする箇所が皆無(^^)
見終わった後、
「本当にいいモノに触れた満足感」を
感じられる作品だと思います。
まぁこの時代のアカデミー賞クラスの作品って
みんなそうなんですけどね。
まさに「ハリウッド黄金時代の名作映画」だと
思います!
おすすめ名場面6選
お転婆なアン王女
映画の冒頭、王女を歓迎する厳かな席で、
真面目な顔をして挨拶をしている時に、
足がかゆかったのか、足をもぞもぞさせて、
靴が脱げてしまう王女(^^)
お付きの人がダンスに誘う機転で
何とか靴を履き直しますが、
アン王女のお転婆ぶりを
印象付けるシーンですね(^^)
もちろん、オードリー・ヘップバーンの
初々しい美しさも必見です(^^)
どこか間が抜けた新聞記者ブラッドレー
上司に遅刻の言い訳をするも
簡単に見破られたり、
学生からカメラを拝借しようとして
不審者扱いされて断られたり(^^;
演じるのは、この時すでに大スターの
グレゴリー・ペックですが、
コミカルな人物として描かれています(^^)
王女も新聞記者も親しみやすい人物として
描かれているので、
映画自体も親しみやすいんでしょうね~。
ローマの街を行く二人
自由になりたいアン王女と
スクープのほしい新聞記者ブラッドレーの
二人が、ローマの観光名所を巡ります。
なかでも、スクーターに二人乗りしている場面と
「真実の口」に手を入れている場面は、
あまりにも有名ですね(^^)
この映画、最大の見どころの一つでしょう。
他にも、髪をカットしたり、アイスクリームを
食べたりする場面も印象的(^^)
二人の別れ
いつしか恋に落ちる二人ですが、
所詮、王女と新聞記者の身分違いの恋。
二人を待っているのは別れです。
今の映画なら(半ば強引に)ハッピーエンドに
もっていくんでしょうけど、
黄金時代の名作映画はそうはなりません(^^)
別れる前に、これまで隠していた自分の身分を
告げようとするブラッドレーですが、
アン王女は「言わないで、何も・・・」と拒否。
そして、アン王女はお屋敷に戻り、
二人はもう二度と会うことはなかった・・・
はずなんですが、まだ続きがあります(^^)
別れるところで終わってもよかったと
思うんですが、ここから先の展開が、
この作品を名作映画に昇華させていると
思います。
アン王女の成長
お屋敷に戻ったアン王女は、以前とは別人。
以前のわがままぶりはなくなり、
毅然とした立ち振る舞いをするようになります。
一時の儚い恋、それもおそらく初恋が、
わがままなお姫さまを、王女の自覚を持った
女性に成長させたんですかね~。
この変化も、
映画の大きな見どころだと思います。
再会した二人の語らい
映画のラストシーンは、
アン王女のローマ滞在記念の記者会見。
王女を待ち受ける記者団の中に、
ブラッドレーがいます。
アン王女にとっては、二度と会うことがない
はずのブラッドレーとまさかの再会。
同時に、彼の職業を初めて知ることになります。
うれしさ、驚き、とまどい・・・
様々な感情が王女の中にあったでしょうね。
周りにたくさんの人がいる中、
二人は自分たちにしか分からない言葉で、
「会話」をしていきます。
アン王女
「国民の皆さまとも強い絆ができました」
ブラッドレー
「その絆が断たれることは決してないでしょう」
これを意訳すると、
アン王女
「あなたと強く心を通じ合えてよかった」
ブラッドレー
「私もです。あなたへの想いは本物だったし、
今回のことは決して公言しませんよ。」
こんな感じでしょうか(^^)
他の言葉も含めて、
全ての言動が素晴らしい名場面です。
そして会見が終わり、
誰もいなくなった会見場にブラッドレーが
一人たたずむシーンでフィナーレ。
名作映画、ごちそうさまでした(^^)