1939年のアメリカ映画
「駅馬車(Stagecoach)」についてです。
ネタバレもありますので、ご注意を!
駅馬車とは
監督ジョン・フォード、
主演ジョン・ウェインの黄金コンビで
初めて作られた映画「駅馬車」。
駅馬車に乗り合わせた9人の人々の群像劇に
加えて、終盤にはアパッチの襲撃や
主人公の決闘が描かれ、
全編が見どころと言っていい作品です。
共演は、
本作でアカデミー助演男優賞を獲得した
トーマス・ミッチェルや、
1948年公開映画「キー・ラーゴ」で
アカデミー助演女優賞を獲得した
クレア・トレヴァーなど。
第12回アカデミー賞(1939年対象)では、
・作品賞
・監督賞(ジョン・フォード)
・助演男優賞(トーマス・ミッチェル)
・音楽賞
・美術監督賞
・撮影賞(白黒作品)
・編集賞
の7部門でノミネートされ、
・助演男優賞
・音楽賞
の2部門を受賞しています。
この年の作品賞は、
13ノミネートで8部門受賞の
「風と共に去りぬ」が獲得。
レベルが高い年だったようです(^^)
あらすじ
19世紀後半のアメリカ。
アリゾナ州からニューメキシコ州へ向けて
駅馬車が出発しようとしていた。
アパッチが襲撃するという情報が入ってきて、
途中まで騎兵隊が護衛で付くことに。
乗客は、
・街から追い出された女性ダラス
(クレア・トレヴァー)
・アルコール中毒の医師ブーン
(トーマス・ミッチェル)
・バージニア州から大尉の夫に会いにきた
婦人ルーシー
・小心者のウイスキー商人ピーコック
・ルーシーを気に掛ける賭博師ハットフィールド
の5人で、
・馬車の運転手バック
・保安官カーリー
を合わせた7人で出発する。
道中、
・横領した金で高飛びをもくろむ銀行家
ゲートウッド
・脱獄囚リンゴ・キッド(ジョン・ウェイン)
が乗車してきて、合計9人での旅となる。
キッドはバックやカーリーと知り合いで、
家族の仇であるブラマー三兄弟を
討つために脱獄し、彼らの住む
ニューメキシコ州へ向かっていた。
最初の駅アパッチウェルズ。
ここで騎兵隊と別れるが、
アパッチ襲撃の情報がある中、
このまま進むか引き返すかの投票が行われ、
商人ピーコックと銀行家ゲートウッド以外の
7人は進むことを選択。多数決で駅を出発する。
次の駅ドライフォーク。
ここにいるはずのルーシーの夫が
重症を負って運ばれたと言われ、
ルーシーはショックで気絶して
さらに産気づいてしまう。
医師ブーンは酔いをブラックコーヒーで醒まし、
ダラスを助手にして出産に取り掛かる。
見事に出産は成功。かわいい女の子が産まれた。
アパッチ襲撃の可能性があるので
早く出発したいが、ルーシーの体力が
回復するまで休むことに。
ダラスは献身的にルーシーの面倒を見る。
そんな様子を見ていたキッドは、
ダラスに求婚する。
ダラスはキッドに、
自分のためにも敵討ちをやめて逃げるよう説得。
キッドもそれに応じて逃げようとしたその時、
アパッチの襲撃を意味する狼煙が挙げられた。
目的地のニューメキシコ州ローズバーグへ向けて
急いで出発する一行。
ローズバーグまで
あと少しのところに差し掛かり、
もう大丈夫だと祝杯を挙げようとしたその時、
商人ピーコックの胸に矢が突き刺さる。
ついにアパッチが襲撃してきたのだ。
全速力で逃げる駅馬車に、
アパッチの集団が襲い掛かる。
一行はキッドやハットフィールドを中心に
応戦するが、運転手バックが負傷、
銃の弾もどんどん減っていき、
次第に形勢は不利に。
ハットフィールドは銃の弾が残り一発になり、
観念したかのようにルーシーに銃口を向けるが、
アパッチから銃撃され息絶える。
もはやこれまでかと思われたその時、
ラッパの音と共に騎兵隊がやってきて、
一行は難を逃れる。
犠牲者はハットフィールド一人
負傷者はピーコックとバックの二人だった。
ようやく辿り着いた目的地ローズバーグ。
銀行家ゲートウッドは横領の罪で逮捕。
キッドはブラマー三兄弟との決闘に臨む。
そしてダラスの元に帰ってきたキッドは、
保安官カーリーと医師ブーンに見送られ、
二人で旅立つのだった。
感想と見どころ
駅馬車に乗り合わせた9人の群像劇は
見ごたえがあります。
何と言うか、深いです。。
しかしジョン・ウェインは
若くてかっこいいですね~。
特に初登場の時は、
これがスター誕生の瞬間か~
といった感じです(^^)
アカデミー助演男優賞を獲得した
トーマス・ミッチェルも、
普段は飲んだくれのオヤジですが
やる時はやる医師役で、
とてもいい味を出しています。
最大の見どころは、
何と言ってもアパッチの襲撃シーン!
逃げる駅馬車も襲い掛かる馬上のアパッチも、
お互いに全速力で駆け抜けながらの銃撃戦。
よく撮影できたなと思います。
CGなんて当然ない時代ですからね~。
ジョン・フォード監督の手腕が光ります。
ラストが主役とヒロインのハッピーエンドで
終わるのも、後味がいいですね。
映画好きなら一度は見ておかなきゃいけない
作品でしょう(^^)