1940年のイギリス映画
「バグダッドの盗賊(The Thief of Bagdad)」
についてです。
ネタバレもありますので、ご注意を!
目次
・バグダッドの盗賊とは
・あらすじ
・感想
バグダッドの盗賊とは
マイケル・パウエル監督ら
複数の監督が関わった1940年公開の
イギリス映画「バグダッドの盗賊」。
この時代ではまだ珍しいカラー作品です。
主演はインド出身のハリウッド俳優サブーで、
王と姫を助ける少年役を好演しています。
第13回アカデミー賞では、
・作曲賞
・美術監督賞(カラー)
・撮影賞(カラー)
・特殊効果賞(撮影&音響)
の4部門でノミネートされ、
作曲賞以外の3部門を受賞しています。
ちなみにこの年の作品賞は、
アルフレッド・ヒッチコック監督の
「レベッカ」でした。
あらすじ
イラク・バスラにやってきた
バグダッドの大臣ジャファー。
彼は眠り続ける王女の目を覚ますことができる
盲目の男性を探していた。
ジャファーは飼い犬と共に物乞いをしていた
盲目の男性を見つけ宮殿へ招く。
盲目の男性は昔話を始める。
<ここから回想場面>
バグダッドの王アーマッドは
お忍びで街に出かけ、
自分が民衆に暴君と思われていることや、
救世主の少年が雲に乗ってやってきて
正義の矢を放ち暴君を討つという予言を知る。
アーマッドは大臣ジャファーの奸計によって
王の地位を追われ投獄されるが、
牢獄の中で盗賊の少年アブーと出会い
二人は脱獄に成功する。
二人で逃亡中、バスラの王女一行が通りかかり、
アーマッドは王女に一目ぼれする。
王女の屋敷に忍び込んだアーマッドは、
庭園で王女と会い、お互い恋に落ちる。
大臣ジャファーが王女の屋敷にやってきて、
魔法が使える彼は
空飛ぶ馬の貢物を王女の父に贈り、
見返りとして王女を自分の妃に要求する。
王女は結婚を拒否。
ジャファーの魔法によって、
アーマッドは盲目に、アブーは犬に変えられる。
<ここまで回想場面>
盲目の男性は自分がアーマッドだと告白。
宮殿には眠り続けるバスラの王女がいて、
アーマッドが話しかけると目を覚ます。
ジャファーは目を覚ました王女を船で連れ出し、
アーマッドとアブーにかけた魔法は
自分が王女を抱きしめれば解けると話す。
王女がジャファーの要求に応えると、
二人にかけられた魔法が解ける。
元に戻った二人は
小舟でジャファーと王女を追うが、
ジャファーの魔法で海は嵐となり小舟は大破。
アブーは砂浜に漂着したが、
そこにアーマッドの姿はなかった。
ジャファーと王女はバスラに戻り、
ジャファーは王女の父を殺害する。
砂浜でアブーは小さな瓶を見つける。
ふたを開けるとランプの精ジーニーが現れ、
何でも3つだけ願いを叶えてくれると言う。
1つ目の願いで母の作ったソーセージを食べる。
続いてアブーは、
アーマッドの居場所を知るために
女神の持つ「万物の眼」を盗み出し、
2つ目の願いでそこへ連れて行ってもらう。
アブーはアーマッドと再会するが、
アーマッドが「万物の眼」をのぞくと、
そこには記憶を消された王女が
ジャファーのものになろうとしていた。
絶望するアーマッドとアブーは口論になり、
アブーがアーマッドに
「バグダッドにさっさと帰れ」と言うと、
3つ目の願いとして叶えられてしまう。
ランプの精ジーニーは、
これで自由だ~と叫びながら姿を消す。
バグダッドに戻ったアーマッドは王女と会い
王女は記憶を取り戻すが、
アーマッドはジャファーに捉えられる。
一人取り残されたアブーは、
己の力のなさを嘆き「万物の眼」を叩き壊す。
すると神の国が現れ、
アブーは空飛ぶ絨毯と正義の矢を手に入れる。
アーマッドの処刑の日。
刑が執行されようとしたその時、
アブーが空飛ぶ絨毯に乗って現れる。
空飛ぶ馬で逃げようとするジャファーを、
アブーは正義の矢で討つ。
その後、アーマッドと王女は結婚し、
バグダッドの王と王女として即位。
アブーを宰相として迎えようとするが、
アブーはすごい冒険をするんだと言って
空飛ぶじゅうたんに乗って飛んで行った。
感想
とにかく映像技術がすごい作品です。
今見ればC級映画の特撮並みですけど(^^;
当時としては最先端中の最先端でしょう。
カラーの美しさはもちろん、
空飛ぶ馬、巨大なランプの精ジーニー、
千里眼の眼、空飛ぶ絨毯などなど、
時代を考えれば凄すぎますよ。
アカデミー賞で映像関係の賞を
たくさん獲得しているのもうなずけます。
盗賊の少年が
悪代官に地位を追われた王と友情を築き、
悪代官を倒して王は王女とハッピーエンド
っていうストーリーも
分かりやすくていいです(^^)
本作の前年公開映画「風と共に去りぬ」と
並んで、当時の世界の映画レベルの高さを
痛感できる作品ではないでしょうか。