夏目漱石「吾輩は猫である」を読了!あらすじや感想です

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夏目漱石の小説
「吾輩は猫である」についてです。

ネタバレもありますので、ご注意を!

目次

吾輩は猫であるとは
簡単なあらすじ
簡単な感想
おすすめの読み方
読みどころ4選
・冒頭の文章
・三毛子さんにアタック!
・銭湯へゴー!
・衝撃のラストシーン
最後のまとめ

吾輩は猫であるとは

「吾輩は猫である」は
明治期の文豪・夏目漱石のデビュー作品。

雑誌「ホトトギス」に
1905~1906年にかけて連載された長編小説で、
全11章からなります。

中学校で英語教師を勤める
「珍野 苦沙弥(ちんの くしゃみ)」に
飼われることになった主人公・猫の「吾輩」。

名前はまだありませんよ(^^)

この猫の「吾輩」目線で、珍野家の人々や、
彼の家を訪問する人々の様子が、
面白おかしく描かれていきます!

ちなみに珍野家のモデルは
実際の夏目家でしょうね~。

作者自身、学校の先生だし、
当時の夏目家にも色々な人の出入りが
あったろうし、それに夏目家でも
猫を飼っていました(^^)

珍野先生が病弱なところも、
作者に一致しますね。

作者自身を珍野先生に投影し、作者の思いを
猫にしゃべらせていたのかなと・・・。

いずれにしても、このデビュー作が
大人気となり、夏目漱石は本格的に
小説家の道を歩んでいくことになります。

簡単なあらすじ

えー、あらすじですけど、
何と言うか、あらすじは特にありません(^^;

というのも、
基本的にこの作品、最初から最後まで
猫が人間の生活を見聞きしている場面が
続くだけなんですよね(^^;

「珍野家でこんな事があったニャ」
→「吾輩はこう思ったニャ」
→「人間ってバカ or よく分からないニャ」
っていうのがずーっと続くんです(^^)

小説序盤はまだ、「吾輩」と他の猫との
関わりが描かれる場面もありますけど、
中盤以降は、それもほとんどなくなるし。。

そういう意味では、文章の形式としては、
小説よりも日記に近いかもしれませんね。

「人もすなる日記といふものを、
猫もしてみむとてするなり」
っていう感じかな(土佐日記風^^;

簡単な感想

正直、読みにくかったです(^^;

すごく長いし(^^;

いや、人の会話や行動を受けて、
主人公の猫が「吾輩は~と思う」って
風刺をきかせて言ってる箇所は面白いし、
まだ読みやすいんですよ。

でも、人の会話が延々と続く場面は
(小説後半は特に多い・・・)、
分かりづらかったです。

「吾輩」が会話の解説をしてくれれば
まだ分かりやすいんでしょうけど、
猫のせいか、そんな親切対応は一切なし(^^;

難しい内容の会話が
数ページにわたって続くことが、
何度も繰り返されます。

作者の他作品の言葉を拝借すると、
「とかくにこの書は読みにくい」
っていう感じですかね(^^;

読書感想文には向いていませんよ~(^^;

おすすめの読み方

全体的に、猫が語っている場面は読みやすくて、
人の会話部分は読みにくいこの小説。

人の会話をじっくりと読めば、
当時の人々(だいたいエリート層)の
暮らしぶりや考え方を知ることができます。

ただ、全てを理解して読もうとすると、
とてつもない時間が掛かるはず。

長くて難解な会話が多いですから。

漱石、どんだけ物知りなんだよ!
って突っ込みたくなりますよ(^^;

ホントに、和・洋・中、
いずれの文化にも精通している
作者の博識ぶりには、驚かされるばかりです。

結論としては、
分かりにくいところはサッと目を通す
ぐらいの軽い気持ちで読むのが、
ちょうどいいと思います(^^)

全部理解するぞ!と力を入れて読むと、
疲れますよ~(^^;

読みどころ4選

冒頭の文章

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」

この小説を読んだことがなくても、
この書き出しを知らない人はいないぐらい、
有名な文章ですよね~。

ここだけでも読んでおくべきでしょう(^^)

猫目線での小説って、
今でも少ないと思いますが、
当時としてもとても斬新だったはず。

その発想力がすごいですよね。

ちなみに冒頭の文章以降は、
「吾輩」が生まれてから珍野家の飼い猫に
なるまでが描かれていきます。

もちろん、猫目線で(^^)

三毛子さんにアタック!

物語の序盤は、
「吾輩」が他の猫と関わる場面が結構あって、
どれも面白いです(^^)

なかでも「吾輩」が恋心を抱く
三毛子さん(猫です)とのエピソードは、
いやでも印象に残りますね(^^)

こういった他の猫との関りが、物語中盤以降、
ほとんどなくなったのは残念です。。

銭湯へゴー!

「猫になったらやりたいことランキング」
があったら、必ず上位に入るであろう
「銭湯に行く(^^)」

「吾輩」がやってくれています(^^)

物語中盤以降は、何かと読みづらいですが、
ここは誰もが読みやすいでしょう(^^)

衝撃のラストシーン

冒頭部分は有名ですけど、
ラストシーンを知っている人は
少ないんじゃないでしょうか?

まぁ、この長い小説を読まないと
分かりませんからね(^^;

これが実に衝撃的な結末になっています。

その内容とは・・・何と、
「吾輩」が水がめの中に落ちて亡くなる!

まるで突然打ち切りが決まった
少年ジャンプの連載漫画のような
怒涛の急展開でした(^^;

最後のまとめ

この作品の凄いところは、まず、
・猫目線での小説という斬新な切り口
・20世紀初頭の世相が詳しく分かる
が挙げられると思います。

そこももちろん凄いですが、
ただ、私が思うそれ以上に凄いことは、
「作家・夏目漱石を誕生させたこと」
だと思います。

この作品が人気を博したことで、
それまで教職に就いていた夏目漱石が、
本格的に作家の道へ入ることになりますからね。

つまり、この作品がなければ、
文学史上でも一、二を争う「文豪」と呼ばれる
夏目漱石はいなかったかもしれないわけで。

なので、「作家・夏目漱石誕生」が、
この作品最大の功績だと思います(^^)

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