「市民ケーン」を鑑賞!おすすめの名作映画です!

映画 名作映画レビュー(1940年代)

1941年のアメリカ映画
「市民ケーン(Citizen Kane)」についてです。

ネタバレもありますので、ご注意を!

市民ケーンとは

市民ケーンは、世界各国で行われる
「史上最高の映画ランキング」で、
必ず1位、もしくはトップ10に
いまだにランクインする作品です。

もうずいぶん昔の作品なんですけどね~。

好きな映画は何ですか?と聞かれて
市民ケーンです!と答えれば、
相手をうならせることができますよ(^^)

相手がこの映画のことを知っていれば、
ですけど(^^;

今では知らない人も多いですから(^^;

ただ、名作映画の代名詞のようなこの映画も、
公開当時の評判はよくなかったようです。

というのも、映画の主人公ケーンのモデルは、
当時のアメリカで絶大な力を誇っていた
実在の新聞王ハースト。

映画の中には、ハースト本人や彼の妻を
侮辱する内容が含まれるということで、
映画を公開する時に
ハースト側の大妨害があったんだとか。

映画評論家がそろって酷評したり、
劇場公開そのものができなかったり・・・。

1941年の第14回アカデミー賞でも、
作品賞や主演男優賞など
合計9部門でノミネートされましたが、
受賞できたのは脚本賞の1つだけ。

興行収入も芳しくなかったようです。

そういったことが逆に、
後世での高評価につながっている面も
あると思いますけどね。

監督と主演

監督&主演はオーソン・ウェルズ
(Orson Welles,1915-1985)。

彼の初監督作品です。

市民ケーンの評価が高いのも、
この「初」監督っていうのが大きいと思います。

初めてでこんな凄い映画作ったのかよ!
って誰もが驚くはず(^^)

内容といい、撮影技術といい、
素人目に見てもレベルが高いですからね~。

特に、色々な時代を行ったり来たりする
時間軸を無視した展開は、
当時としては斬新だったと思います。

主人公をはじめ、一人の登場人物が
若い時から老年期まで演じていますけど、
年老いたシーンのすぐ後に
若い頃のシーンが出てきたりするのも、
珍しい手法だと思います。

ただ、ウェルズ監督も、2作目以降は
1作目に匹敵するような名作映画は残せず。

1作目であまりに巨大な敵を作ってしまった
ことが響いたのかも・・・。

まぁ今で言う「空気が読める」ような
タイプじゃないから、
絶大な権力者を敵に回す
市民ケーンみたいな映画を
作れたんでしょうけど(^^;

簡単なあらすじ

時の「新聞王」として
絶大な富と権力を誇っていた
チャールズ・フォスター・ケーン。

彼がこの世を去る時、最期に遺した言葉が
「バラのつぼみ」。

その言葉の意味を調べるため、
とある新聞記者が
ケーンと親交のあった人々を取材していく。

少しずつ明らかになる、ケーンの真の人生。

はたして「バラのつぼみ」という言葉に
隠されていた真実とは・・・。

感想

ケーンの最期の言葉「バラのつぼみ」。

この言葉の意味を求めて、
ストーリーが進んでいきます。

最後の最後で種明かしがありますが、
バラのつぼみとは、ケーンが子供の頃
遊びで乗っていたソリに描かれた絵です。

ケーンは幼少期に両親と離れ、
大人になって2度の結婚をしますが、
いずれも失敗。

両親と離れる時、
1度目の結婚生活が冷え切った時、
2度目の離婚の時、
いずれもショックは大きかったと思います。

自分が家族に受け入れられ、
家族生活がうまくいくことを
彼は望んでいましたからね。

その望みがどうすれば叶うのか、
方法が分からなかったんでしょうけど。

ずっと孤独だった彼には、
教えてくれる人もいないし、
教えを請うタイプでもないので・・・。

新聞王として莫大な財産と権力を得て、
お金で買える、ありとあらゆるものを
手に入れたケーンですが、
唯一手にできなかったものが
普通の「家族生活」であり、
そしてそれこそが、彼が本当に
心から望んでいたものだと思います。

その「家族生活」の象徴が、
子供の頃に遊んでいたソリに描かれていた
「バラのつぼみ」。

バラのつぼみ=ソリには、
両親と一緒で楽しかった幼少期の
思い出が詰まっていますから。。

・・・結局、映画の中で「バラのつぼみ」の
意味に気づく人物は一人もいませんでした。

彼の周りには、数多くの
使用人や仕事関係者がいましたが、
本当に彼自身を理解していた人は
一人もいなかったんだなと・・・。

手に入れたかった温かい家族生活も
結局手に入らなかったし、
全てを手にいれたかのように見える
絶大な権力者も、
心のうちは孤独だったでしょうね。

見終わった後はしんみりとした気持ちになる、
そんな映画でした。

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